とろり井川メンパの旅

井川メンパのご注文が増えてきたなと思ったら、
「ぶらり途中下車の旅」で、井川メンパ情報が放映されたのだそう。
テレビの影響力ってすごいなあと、改めて感心。

「井川メンパ」と呼ばれるお弁当箱は、
昔は井川地方でたくさんつくられていたようですが、
今では井川の工房と、
静岡市内に拠点を移した工房の二カ所でつくられるだけとなってしまった、ようです。

ヒノキクラフトで販売させていただいているのは、
静岡市内に工房を構える望月さんによるもの。
ヒノキつながりで、お付き合いさせていただいてます。
(メンパの下地も、ヒノキです。)

幸いヒノキクラフトの工場の近くですし、
工房におじゃまして、作業を見させていただくこともしばしば。

井川メンパは、全国的にはそれほど出回っていないかもしれませんが、
静岡ではかなり有名な伝統工芸品です。
ちょっと小粋なおそば屋さんやうなぎ屋さんでは
ご飯を入れるお椀として使われたりもしています。

とろりとした色むらは、なんとも素朴で味わい深く、
どんなにきれいに塗られたメンパよりも、
ご飯がおいしく見える気がします。

毎年暑くなるこの時期になると、
多くの方からご注文をいただきますが、
実際にお使いいただけるまで、少しお時間をいただいてます。

塗って乾かして梱包して、その後お届けするのですが、
できたての場合はそれから何週間か、箱の中に入れたまま保管していただく必要が
あるものもあります。
自然素材でできているので、仕方のないことだとご理解ください。

使える時期は、メンパの中に紙が入っていますので、
ご確認のうえ、お使いください。

とあるお客様からは、
今どき「おあずけをくらう」なんて珍しく、
それがかえって新鮮だったというお言葉をいただいたこともあります。

効率化、スピードが重要視されるものづくりの現場では、
早く乾かすために、さまざまな化学物質を混ぜた塗料を使用することが
当たり前になってきました。
きちんと乾くまで待たされる、ということは
本物の漆だけでできている証拠でもあるので、
使えるまで気長に、楽しみにお待ちいただければと思っています。

メンパにいれたご飯は、漆の作用で腐りにくいといわれています。
とろりとしたメンパにご飯をぎっしり詰めこんで、
旅行へいくもよし、
会社へいくもよし。
子供にもたせても、いいかもしれません。

一度使ったら離れられないという現象もみられるようで、
サラリーマンの方のリピーターも、実際多いです。

井川メンパとともに歩む人生、というのもオツですね。。

 

商品日記

Posted by hinokicraft