「測る」はなし。

家具づくりにおいて、材料の大きさや厚み、溝や手掛けの深さなど、

数字を測らなければならないことは山のようにあります。
家具の設計図である図面を見れば、
そこには部品や全体の寸法を記した多くの数値が並んでいます。
この「数字」が、家具の全てを形づくっていると言っても過言ではありません。
具体的に「1mm」という数値を考えてみると、
日常生活を送る上では本当に小さな値だとだと感じられますが、
私たちが毎日工房で測っている「1mm」は、非常に大きく感じられるもので、
例えば引き出しの寸法が1mm違うだけで、
使用時の使い勝手は驚くほど変わってきますし、
組立用のボーリングマシンの穴あけ作業などでは、
「1mm」よりずっと小さな「0.1mm」の誤差でも、
製品の仕上がりの質に大きく影響を及ぼしてしまうのです。 
そこで重要になるのはこれらの「測る」ための道具たち。 
文房具店で販売されているようなプラスチック製のものとは異なり、
そのほとんどはステンレス製で、頑丈で精度の狂いが出にくいように作られています。
シビアな計測が必要とされる家具製作に欠かすことはできない大切な道具です。
そして何より重要になってくるのは職人の「目」。 
私たちはこれらの道具を状況に応じて使いこなし、
正確な目しごとで、正確な「きもちいい家具」を生み出しています。