そこにしかない風景

っていうものが急速に失われつつある、
なんてことが言われはじめて、もう久しい。

でももしそれが残っている土地があるとするなら、
それは、建築と産業がしっかりと結びついているということの
証なのかもしれない。

その土地に根ざした産業(農業とか漁業とか製造業とか)がなくなれば、
建築もしだいにその形の意味を失って
やがては消えていく。

ここ益子(栃木県)もその例外ではなく、
たばこ産業と深い関係にある通称「ベーハ小屋」の行く末が
危ぶまれている。

ベーハ小屋=米葉小屋=たばこの葉っぱの乾燥小屋。

右がベーハ小屋。どこか懐かしい風景。

てっぺんの屋根の壁に窓がついていて、そこから煙を逃がす。
現在はもう使われていないけど、
まゆづくりの養蚕小屋にも似たかたち。

田園風景と一体になっている。

煙草が刈られた跡。
もうここに、煙草の苗が植えられることはない。

今回も、おなじみ神楽坂建築塾のフィールドワーク。
ふと、静岡だったらお茶小屋みたいのがあってもよさそうなものを
と思ったけど、
そういうものは、見たことがないなあ。

その土地にしかない豊かな風景というものを探しながら、
自分が住むまち、近くの海、山を歩いてみると、
何か新しい発見があるかもしれません。

今回は「益子焼」で有名な益子にお邪魔しましたが、
讃岐にもペーハ小屋の風景がたくさんあるのだそう。
一度、足を運んでみたいなあと思いつつ。

讃岐のベーハ小屋

その他

Posted by hinokicraft