間伐体験

倒す方向を定めて切り込みを入れ、
倒す方向に向かって(赤矢印)ノコを入れる。

倒れた!

もじゃもじゃしていた森が、

すっきりさわやか。

静岡の森かと思いきや、
ここは何と、宮城県大崎市川渡(かわたび)温泉の森。

以下、「NPO法人 エコラ倶楽部」大場さんによる森のくまさん講座。
(記録していなかったので、記憶を頼りに勝手に要約。)
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Q:間伐とは?
A:間引くこと。

Q:間伐は、何のためにするの?
A:一つは、将来性のある木を、より大きく立派に育てるため。
一つは、地面に光を当てて下草をはやし、崩れにくい土壌をつくるため。

Q:間伐しないと、どうなるの?
A:お互いが干渉し合って、それ以上育たなくなります。
地面にも日が当たらず、土壌が弱くなります。
土壌が弱くなると、土の水を保持する力が弱くなり、
土砂災害とか、洪水の原因になることも。

Q:それなら、初めから間隔を空けて植えればいいのに。
A:他の品種との競争に負けないように、まずは集団でその地に根づかせる。
さらに、その集団内でも競争させて、より優秀な木が育つ環境をつくる。
競争に負けた者は、間伐される。
植林の世界にも、競争原理がはたらいています。

Q:間伐材は、どうするの?
A:切ったまま放っておくケースが多いけど、下草が生えづらくなるし、
回収して何かに使うのがベスト。
今日は、薪用に回収します。

Q:切り株から、芽は出てくるの?
A:針葉樹は、出てきません。
広葉樹の切り株からは、出てくることがあります。
針葉樹は、きちんと苗を植えないと育たないということ。

Q:ヒノキ林とスギ林のちがいは?
A:ヒノキは、乾いた土地で育つ。
スギは、水気の多い土地で育つ。

Q:植林している針葉樹林は、良くないっていうイメージがあるけど?
A:間伐などの手入れをしない針葉樹林は土壌が育たず、いい森とは言いがたい。
でも、手をかけて面倒を見てあげれば、
針葉樹林も、いい森に育つ。
広葉樹林だからいい、針葉樹林だから悪い、っていうのはちょっと違う。

Q:いい森、悪い森のちがいは?
A:森の最大の機能は、水を外に流さずに土の中にとどめておくこと。
森=緑のダム、とも言われています。
土砂を流さない。洪水を起させない。
雨が降っても、ぐっと水を土に蓄えて、少しずつ川へ流す。
森があるおかげで、私たちは生活に必要な水の供給を、安定的に得られる。
いい森とは、その機能をきちんと果たしてくれている森。
つまり、いい土壌をもった森。
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なるほどなるほど。
【森=CO2削減、エコ】とばかり言われているけど、
【森=水】というところを、もっと理解した方がいいかもしれない。

電気がなくてもガスがなくても、何とか生活できるけど、
水がないと朝顔も洗えないし、髪もボサボサ。一日が始まらない。

公共料金を滞納した場合、
電気とガスはすぐに止められるけど、
水だけは止められないということを聞いたことがある。
水は、命にも直接関係するから。

という感じで、改めて森の重要性に気づかされるのでした。

今回は、神楽坂建築塾によるフィールドワーク。
こういう実習もやっています。

北国の森の景色をかみしめながら
のろのろと下山していった、
8月8日の出来事でした。

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Posted by hinokicraft