100年前の建具
これは何でしょう?
実は、100年前に作られた、建具(引戸)の端切れです。
材質は、フレームをひのきで製作し、鏡板を欅(けやき)の無垢で製作しています。
塗装は、木地呂(キジロ)漆塗りで丁寧に仕上げられ、100年経っても艶やか。
毎日使用する引戸ですが、100年経っても定期的にメンテナンスを行えば、末永く使用できます。
まさに一生ものです。
100年前というと、ざっと明治の終わりから大正時代。
当然、この時代には今のような優れた機械もなければ、工具もありません。
職人の経験と技術だけが頼りです。
日本の建具は、家具のルーツといわれる技法がたくさん含まれています。
今ではウレタン樹脂素材のキャスターなどがありますが、
この建具は戸車に樫の木(丸太をそのまま輪切りにしています。)を使用しています。
室外で使用するものは、雨や熱等にも強い構造体を保たなければなりません。
釘やビス等で補強するのではなく、職人の技術が生かされた構造体になっています。
この鏡板の止め方は、かまどで炊く、ご飯釜の蓋のような構造体になっています。
昔のご飯釜の蓋は、ひのきで作られていました。
ひのきは熱にも水にも強い証拠ですね。
材質だけではなく、職人の技術でさらに強いものとなります。
今では、機械化が進み、製品を大量に製作することが可能となりましたが、
目では見えない細部の構造体、機械ではできない加工を職人の技術で補っています。
ヒノキクラフトは、昔の技術を生かして、新しい家具作りに挑戦しています。