家具の社会性

建築・家具・服飾・器・自動車 etc…。
生活に密着しているモノっていうのは、
その時代の社会性というものを、
かなり忠実に映し出していたりする。

だから、そのモノをじっと見ていると、
なんとなくその時代の背景が見えてきたりもする。

こと、家具について考えてみると、
例えば、経済的な面から

・あの人は高級家具を持っているからお金持ちだ とか、
・安い家具の売り上げが好調であれば不況だ とか。

それから、文化的な側面でいうと、

・椅子が使われるようになったのは西洋の文化を受け入れたからだ とか
・ちゃぶ台がダイニングテーブルにとって変わったのは
椅子式の生活が浸透してきたからだ とか。

だから、今の時代にヒノキの家具がたくさん使われれば、

・この時代は国産材を使う動きが高まり 云々

と、後々分析されることにもなりうる。
大げさではあるけれど。

ともかく家具はそんなふうに、
その時代の人々の生活や社会と密接に結びついているし、
それはほぼすべての人に長い時間をかけて使われるという点で、
ほかのモノ以上に、結びつきが強いようにも感じられる。

だから、家具を作り出すメーカーは、
時代の流れを常に念頭に入れておく必要があるし、
逆に豊かな方向に導いて行ける可能性をもっているとも思う。

そんなことを考えていると、
図面の線一本を引くのも、
木に形を与えることも、
すごく責任のある仕事だなとつくづくそう思ったりします。

その他

Posted by hinokicraft