高さ調整式の学習机|オリジナル金具のお話|強度

以前のブログ、

コモデスクの強度・構造のお話に引き続き、

高さ調整脚部に使用されている金具のお話です。

ここでは、静岡県工業技術センターの

厳しい耐久試験をクリアした、

(試験写真は椅子ですが、机も同等の方法です)

学校用の可動式学童机の設計をベースに、

一般家庭向けにリデザインした、

2本脚デスクのコモデスクを例としてご紹介。

 

 

ここにあります、袋ナットという金具、

実は、金具メーカーで販売されていない、
オリジナルで製作している金具なんです。

 

 

話はさかのぼり2000年ころ、

公立小学校に木製学童机を導入することに、

当り前ですが小学生は1年から6年までいます、

だから、高さが調整できなければいけません、

そこで開発の核となったのは、その脚部構造。

 

 

可変式には、色々な方法がありますが、

その時点での選択は、二枚の板を重ねることで、

板の厚みが増し、横揺れをも防げるという、

他にあまりない、スライド方式をとりました。

そして、金具のセレクトに、

そして、そして、大問題が発生、

20mm以上の長さの袋ナットが存在していない。

上の写真のように内側の脚部から頭が出て、

もう一方の脚部まで届かせ、切断面の荷重を

ボルトではなく、太く強度のある袋ナットに

負担させないと、設計強度に達しないからです。

 

 

では、コストはかなり掛りますが、

オリジナルで製作してしまえということに、

さらに、試行錯誤、小学校の話も聞きながら、

当初は無かった袋ナットのヘッドに、

六角レンチ用の穴も開けられています、

これで作業性が格段に向上しました。

金具一つでも、常に改善・進化です。

 

 

さらに、締め付け部に使用する、

スプリングワッシャー。

上の写真をよーーーく見てください、

丸が切れて、せり上がっている先端、

ちょっと角が削れているのがわかりますか?

 

 

大きめのスプリングワッシャーは、

締付力が強く脚部強度の確保には最適ですが、

高さ変更はボルトを外さなければなりません、

その時、ワッシャーに角があると

もう一枚ある平ワッシャーに食込んでしまい、

外しづらいというデメリットがあります。

また、ボルトを外す時に、

スプリングワッシャーの角が、

平ワッシャーを削り鉄粉が出てしまいます、

その鉄粉が刺さったり、

お子様の口の中に入ってしまっては大変。

そこで、1枚1枚スプリングワッシャーの角を、

地道にグラインダーで研磨をしています。

涙が出る作業なんです、肩もこります(笑)

 

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