工房便り [テーブル天板のひみつ]

学習机の天板より、ずっと大きなダイニングテーブルの天板。

この天板は、他の材とはちょっと違い、職人の技が込められているのです。

奥行60cmまでの天板なら、工場にある機械を使い、一度で削り上げられますが、

60cm以上のダイニングテーブルの天板は、機械に入らないので、天板を2分割で制作。

1枚づつ削り上げた2枚の板を、職人の手で、一枚の天板に作り上げます。

ここが、職人の腕の見せどころ。

まずは、接着面へしっかりとボンドを塗っていきます。

多すぎても材同士が滑ってしまい、接着面が吸着しません。

少なければ、接着不良に。

この『微妙』な加減は、経験により培われます。

ボンドを付けたあとは、速やかに板を擦り合せます。

しっかりと平滑面がでていれば、接着面は髪の毛1本の隙間もない状態。

接着剤の引っ張る力も働いて、吸い付くような手応えを感じます。

そして、ここからがいよいよ本番です。

無垢材は生き物ですから、個性があるのは当然のこと。

ここでただ、普通に圧着するだけでは、微妙な材の反りや歪みのせいで、段差が出てしまうことも。

目地(段差)の違いを細かく確認しながら、素早くクランプで固定していきます。

どれだけ目地を出さずに、正確に作業を行えるか、職人の『腕』が試される瞬間です。

名付けて「二度矧ぎの技」。

ヒノキクラフトの確かな技術が、ダイニングテーブルを支えます。

目地が少し残ってしまったら、かんなでサッとひとかけして。

簡単に見えるものほど、実は、職人の『技』が詰まっているのです。